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「歌集露原 : 松村英一著」の検閲断片

プランゲ文庫では数多くの検閲断片がありますが、中でも日本文学では約300点の検閲断片が確認されています。短歌では15点ほどあり、その中で特筆すべき作品が「歌集露原  : 松村英一著, 新紀元社, 1947」(Prange Call No. PL-53404)です。

PL-53404

(クリックで拡大)

それは、777首からなる歌集から34首の歌が削除(Delete)処分を受けているからです。松村英一の作風は「歌の基盤を生活現実の実感においたもので人生派と呼ばれた。」といわれるもので、昭和15年から20年にかけての歌の数々は、一歌人による当時の心情を切実に描写した貴重な作品といえます。そして世に発表されることなく削除された歌を知ることは、より深く戦争という現実を認識できるのではないでしょうか。

PL-53404_afterword

添へ書 (クリックで拡大)

なお、添へ書によると、自身の罹災した中で「偶然に救い出し得たのは、僅かに「標石」一冊の校本だけであった」とあり、それを基礎にして、「歌集露原」は作られました。(赤字で七百七十七首から七百四十二首に書き改められています。)

参考文献:新研究資料現代日本文学第5巻 浅井清他編 明治書院 P.130

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