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展示資料紹介:「ジャズによせて」

2018年10月中旬より当メリーランド大学ホーンベイク図書館Maryland Room Galleryにて、プランゲ文庫の展示Crossing the Divide: An American Dream Made in Occupied Japan, 1945-1952を開催します開催期間は2018年10月~2019年7月です。今月から月に一度、ピックアップした展示資料の紹介を行います。展示資料シリーズはこちらからまとめてご覧頂けます。

「展示資料特集シリーズ」の七つ目は、1947年8月に雑誌「Dance」に掲載された「ジャズによせて」(Prange Call No. D115)を取り上げます。

この記事は、日本におけるジャズの5年ぶりの復興について書いています。著者である茂木了次氏は、ジャズは日本では禁止されていた5年の間にもアメリカで発展し続けていた為、戦後我国のジャズの貧困さに、我々は一抹の寂しさを覚えた」と語っています。茂木氏は更に「これからの現代人の生活にとつては、なくてはならないこの新しいジャズを、大きく抱擁して、正しく育てたいと思つてゐる」とも書いています。

この記事は民間検閲局(Civil Censorship Detachment = CCD)に提出されました。CCDの検閲手順に従って検閲官が一部英訳し、それを上官が読んで最終判断を下したと思われます。英訳された箇所は進駐軍のジャズバンドを初めて見聞きしたその瞬間、誰しもが驚かされたことは、その豪華な響き、豪華なメムバーであつた」という一文です。しかし出版された記事にこの文章は掲載されている為、検閲処分は受けなかったと推測されます。

文書(民間検閲局が残したもの)はオンライン展示にてご覧ください。

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