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子育て今昔:第一回 – 赤ちゃんの発育と健康

[本記事は、丹治里彩(たんじ りさ)](2018年~学生アルバイト)による寄稿です。育児に関するプランゲ文庫の資料を、ブログ記事全五回に亘って紹介します。]

まず厚生労働省(2013)が発表している発育平均標準値(p.10の図を参照)を守屋光雄著の「育心理學」(Prange Call No. 2019-0019)に記載されている表と比べてみたところ、占領期に産まれた乳幼児は男女共に現代の乳幼児より小さく軽かったようです。産まれてすぐの体重は過去も現在もほぼ同じですが、現在の赤ちゃんのほうが成長速度が速い故、生後2か月もすると占領期の赤ちゃんよりはるかに重いことが分かります。身長に関しても、生後直後から現代の赤ちゃんのほうが高いので著しい差が窺えます。

我が子のどんな些細な体調不良も気になってしまうのは昔も今も変わらない親の性でしょう。更に戦後の衛生環境や医療技術のことを考えると、あらゆることを大病の症状や原因ではないかと疑ってしまう母親が多かったのはあまり不思議ではないかもしれません。

「育児の常識」(Prange Call No. 2019-0013) 表紙

山本康裕博士は著書「育の常識」(Prange Call No. 2019-0013)で、寝汗や神経質な性格は病気の証でよだれは低能の証拠と捉えました。しかし現代では寝汗はむしろ代謝のいい証であり、神経質さと病気を結び付けて考える事も少なくなりました。現代の研究によると乳幼児のよだれには体を守るためのきちんとした理由があって分泌されていることが分かっています。(さいたま助産院, 2009)

戦争中見られなかった自家中毒が戦後見られるようになったのも、戦争中は食べ物を選り好めるほど神経質になれなかったからだと山本博士は言います。

「育児の常識」(Prange Call No. 2019-0013) pp.182-183

また都会育ちであることも戦後は不安の種だったようで、食事の不自由なく生活出来ている子どもたちは太ってしまう、滲出性素質の症状が悪化する、虚弱体質な子どもが育ってしまうと当時は考えられていたようです。今でも都会より田舎にいるほうが心身にいいという考えもありますが都会育ちが原因の病気はありません。

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