保存作業

保存作業:道具紹介

プランゲ文庫では専門の職員が保存・修復作業を担当しています。保存作業を特集したこれまでのブログ記事はこちらからご覧頂けます。今回は、この職員が日々使う道具類を紹介します。 Teflon folder – 折り目を伸ばす際に使用します。 Bone folder – 折り目を綺麗につける際に使用します。 Micro spatula – ホッチキスを外したり糊をはがす際には、この器具を使って慎重にページをめくります。おそらく最も良く使用する器具です。 Steel box cutter – カッター。 Nipper/Fine wire cutter – 古いホッチキスを切るのに使います。 Book knife – ページがきちんと切り離されていない場合、デジタル化の前に全て切り離す必要があります。 Scalpel – 糊付けをして製本されている本からホッチキスを外す場合は、メスを使って小さい切れ込みを入れてホッチキスを外す手順が必要になります。 Tweezers/forceps (pointed and rounded) – ピンセット。 Scissors – ハサミ。テープ類を切る用の別ハサミも用意してあります。 Brush – 特にホッチキスを外す際に紙くずが出るのでブラシを使います。 Staple remover – ホッチキス外し。ただし劣化の激しい資料には使えないため、プランゲ文庫ではあまり出番はありません。 Twill tape/tie – バラバラになってしまった本をまとめるのに一時的に使います。プランゲ文庫では代わりに封筒をつかうことが多いです。 Weight bags – 重し。 Mylar straps – 資料を展示等に使う際には、マイラー・テープを使うと資料を傷めることなく資料の固定ができます。展示後には簡単に外せます。 Ruler – ものさし。 Hollytex – 糊を外す際にページに挟み、両ページがくっつかないようにします。 Bricks covered with book cloth – レンガ。紙とブッククロスでカバーをしています。折り目を伸ばす作業の際に、このレンガを乗せて乾かします。 Advertisements

保存作業:ペーパークリップ

デジタル化にあたり、事前に資料からペーパークリップやピンなどを取り外す作業が必要となることがあります。左の写真は今までに取り外してきたペーパークリップ、ピン、釘、留め具の一部です。これらを取り外す際には、資料を傷めないように細心の注意を払います。 下記のスライドショーでプランゲ文庫の保存作業担当スタッフが、ペーパークリップを取り外す作業を詳しく紹介します。     他にも、バタフライクリップ(バタフライクランプ)も寄贈資料の中から発見しました。最近ではあまり見かけないクリップの形状です。クリップの代わりにピン、針、釘などが使われているケースに遭遇することもあります。ペーパークリップの歴史については、 Evolution of Useful Things by Henry Petroski (NY: Knopf, 1992)という本の4章”From Pins to Paper Clips”が詳しいです。

保存作業:折り目を伸ばす作業について

資料のデジタル化にあたり、事前に図書の折り目を伸ばす作業などが必要となることがあります。この資料「あふれる泉」(Prange Call No. 322-0069)は、数十ページにわたり、ページ角がひどく折りたたまれてしまっています。下記のスライドショーで、プランゲ文庫の保存作業担当スタッフが、折り目を伸ばす方法を詳しく紹介します。    

Censored Newspaper Articlesのデジタル化: 補修作業

Censored Newspaper Articlesのデジタル化についてシリーズでお伝えします。第二回目の今回は、スキャン前の補修作業についてです。第一回目の「メタデータ作成」もあわせてご覧ください。 戦後は用紙が極端に不足し、出版社は品質の悪い酸性紙・リサイクル紙の使用を余儀なくされました。特に新聞やそのゲラは後世に残すものという位置づけではなかった為、大半が質の悪い紙に印刷され、劣化が非常に進んでいます。このため、当文庫が昨年デジタル化を終了したCensored Newspaper Articles(CNA)のデジタル化においては、事前補修作業が必要となる資料が多数ありました。なお図書のデジタル化では、主にスキャン後に保存作業をします。以前に紹介した「劣化資料保存用の箱」もそのひとつの例です。 CNAの手書き原稿やゲラには、オニオンスキン紙と呼ばれる非常に薄い紙が使用されているものも多くみられました。これらは長年の間に破れやしわが発生しており、スキャンが難しい状態です。また錆びたホッチキス・ピンがとめてあったり、複数の写真がくっついてしまったりしたものもありました。全ての資料の劣化状態を職員がスキャン前に確認し、スキャン過程で支障が出てくると思われる酷い折り目を伸ばす作業などを事前に行いました。 なお、事前補修作業が不可能な資料も一部あり、それらはできるだけ内容が判読できる形でスキャンしました。 下記のスライドショーはホッチキスと糊の取り外しです。

保存作業:劣化資料の保存について

プランゲ文庫の主な目的は資料の保存と利用提供です。資料をマイクロフィルム化やデジタル化した後、原本は元通り配架されます。 スキャン時に背表紙を解体するなどの作業が必要になった本は、再配架する際に入れ物を作成する場合があります。以前は厚紙で作られた箱を利用していました。この箱は丈夫ですが、本の表紙などを簡単に見ることができませんでした。 それにかわって、今ではプランゲ文庫の保存作業担当スタッフが透明のフィルム(Mylar)で一箱ずつ各本のサイズに合わせて作っています。一箱を作るのにはおよそ一時間半ほどの時間を必要とします。 以下のスライドショーで、この透明の箱の作り方を紹介します。