出版

出版物紹介: 占領下の新聞 別府から見た戦後ニッポン[弦書房発行、2015年8月]

占領下の新聞 別府から見た戦後ニッポン [弦書房発行、2015年8月] 本書は、1946年3月から1949年10月までに大分県別府市で発行された52紙の新聞の中から、日々の様々な営みを伝えた記事を丁寧に拾い集め編集した書籍です。全国紙では決して知ることのできない街角の小さな物語を伝える紙面が、『1.引揚・住宅難・闇市』『2.複雑怪奇、泉都はいつも起きている』『3.民主日本への歩み』『4.商都として』そして『5.占領期のブログ』という5つのテーマにそって紹介されており、同時に各紙の概要、発行社名、発行期間、定価などの書誌的データが記載されています。この書籍で紹介された新聞は、すべてプランゲ文庫に所蔵されており、当文庫、国立国会図書館本館、およびプランゲ文庫マイクロフィルムを所蔵する日米の大学、研究機関で閲覧が可能です。 この記事は著者および出版社の許可を得て掲載しています。 Advertisements

出版物紹介: 都史資料集成II 自治体東京都の出発 [東京都公文書館編集発行、2015年3月]

本書は、昭和22年4月制定の地方自治法に基づき発足した“自治体東京都”の出発をテーマに、昭和22年から25年までの東京都の再生と歩みを記録した資料です。内容は、『1.自治体東京都の行政』、『2.昭和22年地方選挙結果』、そして『3.特別区の発足』の3部構成となっており、プランゲ文庫所蔵のミニコミ紙など数多くの資料が、第1部の『自治体東京都の行政』でとりあげられています。 530ページにも及ぶこの第1部では、財政、教育、社会福祉、労働、公衆衛生、住宅、交通などといった都民の日常生活にかかわる事業に焦点が当てられ、当時の人々の暮らしぶりや日々直面していた問題など、終戦直後の東京都の原風景が、これまであまり注目されることのなかったプランゲ所蔵の資料を通して、丹念に描かれています。 この本を含む東京都公文書館所蔵の資料は東京都公文書館情報検索システムから検索することが可能です。公文書館に関する詳しい情報は東京公文書館ホームページをご参照ください。 この記事は東京都公文書館の許可を得て掲載しています。

出版物紹介:戦争と検閲 石川達三を読み直す [河原理子:岩波書店2015年]

本書は、石川達三(1905~1985)が1938年に執筆した小説『生きている兵隊』が新聞紙法*違反の容疑で起訴され、発禁処分となった事件に焦点を当て、事件の根幹となる新聞紙法と、それに基づく言論統制の実像を描き出した作品です。当時の裁判記録と新聞報道、そして石川自身の手記などの分析を通じて、起訴の経緯や石川がこの作品に託した思いなどが、詳細に論じられています。 戦後、新聞紙法が一時停止されたことにより、この作品は1945年末に無事出版されることとなりました。しかし、その一方で、1946年に執筆、出版予定だった『戦いの権化』は民間検閲局(CCD)の検閲のもとで発禁となり、占領下で日の目を見ることはありませんでした。プランゲ文庫には、この『戦いの権化』のゲラやCCD文書が残されており、これも本書の中で紹介されています。 米軍による戦前の検閲解除に喜んだのもつかの間、石川を含むこの時代の表現者たちは、言論統制が戦後の新しい検閲システムによって続けられることを悟り、その無念さは、作家高見順の言葉によって的確に表現されています。 『アメリカが我々に与えてくれた「言論の自由」は、アメリカに対しては通用しないということも分かった』(高見順「敗戦日記」、本書231ページ掲載) *1909年5月施行、1945年9月停止、1949年5月廃止 この記事は岩波書店編集者の許可を得て掲載しています。

出版物紹介: 犬の帝国 : 幕末ニッポンから現代まで

犬の帝国 : 幕末ニッポンから現代まで   (アーロン・スキャブランド. 2009, 東京: 岩波書店) [英語版:Empire of dogs: canines, Japan, and the making of the modern imperial world.(2011. Ithaca: Cornell University Press.)] アーロン・スキャブランド教授(Aaron Skabelund -Brigham Young University)が2009年に出版された「犬の帝国:幕末ニッポンから現代まで」を紹介します。スキャブランド教授は2002-2003年度の20世紀ジャパン・リサーチ・アワード受賞者でもあります。 「犬の帝国」でスキャブランド教授は、「犬」が日本社会(明治~平成)の中で果した役割を再考します。犬は単なるペットではなく、冨の象徴であり時には軍事資源でもありえた事実を挙げ、飼い主の社会的地位をも定義する存在であった、とスキャブランド教授は主張します。 戦後の日本社会と犬の関係性については、5章で詳しく述べられています。スキャブランド教授はこの章で、第二次世界大戦後「いい」犬のイメージがいかにして各メディアによって日本人の心に植えつけられたかを論じます。当文庫の所蔵物をみても、様々な資料に犬が登場することがわかります。例として児童書デジタルコレクションを見ると、タイトルに「犬」とつく資料が22件見つかりました。また20世紀メディア情報データベースによると少なくとも6件犬関連の雑誌が当文庫に所蔵されています。(例:ドッグワールド [犬の世界社] – Prange Call No. D229)

出版物紹介: 検閲・メディア·文学 : 江戶から戦後まで

「検閱・メディア·文学 : 江戶から戦後まで」  (鈴木登美 … [et al.] 編. 2012. 東京, 新曜社.) この本は、江戸期から戦後における検閲とメディアの相互関係を、日英のバイリンガル出版というユニークな形で論じた学術書です。出版文化、文学、そして大衆メディアという三つの視点を取り入れた3部構成となっていて、プランゲ文庫の資料は、文学と大衆メディアに焦点を当てた章でとりあげられています。たとえば文学を論じた章では、戦前および戦中に内務省が実施した検閲政策と戦後占領軍が実施した検閲政策との類似点や相違点を分析するため、数々のプランゲ文庫の資料が登場します。また、大衆メディアを論じた章では、プランゲ文庫に保存されているアマチュア詩人によって創作された詩歌という、これまで研究者の注目度が比較的低かったメディアが研究対象となっています。 これらの研究が証明しているように、プランゲ文庫の出版物は、日本における検閲の歴史の継続性と変化を明らかにする上で必須の資料であり、また他に類を見ない種類の出版物を所蔵しているという点で、これからも新しい研究を生み出していく無限の可能性を秘めた宝庫といえるでしょう。  

出版物紹介: Engineering War and Peace in Modern Japan, 1868-1964

2005-2006年度の20世紀ジャパン・リサーチ・アワード受賞者、Takashi Nishiyama教授(ニューヨーク州立大学, SUNY)による、Engineering War and Peace in Modern Japan, 1868-1964 (Johns Hopkins University Press, 2014)の紹介です。この本は新幹線の開発を取上げています。Nishiyama教授によると、この本の執筆にあたって直接プランゲ文庫の資料を特に利用したというよりは、むしろ当文庫での研究の中からヒントを得たものがあった、ということでした。

出版物紹介: Negotiating Censorship in Modern Japan

Negotiating Censorship in Modern Japan (Routledge Contemporary Japan Series no. 45)が、2013年4月に刊行されました。この本に論文を掲載された方々の中で、当文庫で研究をされたことがある研究者4名を紹介します。 Jonathan Abel, “Seditious obscenity/obscene seditions: the radical eroticism of Umehara Hokumei.” Eleanor Kerkham,  “Censoring Tamura Taijiro’s Biography of a Prostitute (Shunpuden).” Noriko Akimoto Sugimori, “Censoring imperial honroifics: a linguistic analysis of Occupation censorship in newspapers and literature.” Kirsten Cather, “Parodying the censor and censoring parody in modern […]