Treasures

雑誌特集:島根県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第十一回目の今回は、島根県で発行された雑誌を数点紹介します。 どうどがわ. [1949年2月] (Call No. D-223) 千鳥. [3号([1948年]] (Call No. C-33) 「どうどがわ」は島根県立大東高等学校校友会郷土調査班が発行した冊子です。内容は教員や学生の研究発表で、例として「八雲神話と出雲」や「三刀屋城附近の傳説」といった論文が掲載されています。 島師付属小学校同窓会が発行した「千鳥」は、卒業生による随筆や詩の寄稿、シリーズ物、住所録などが含まれます。最終ページには戦時中に破壊された校舎の復興レポート「母校復興状態」というコーナーもあります。プランゲ文庫が所蔵する第3号は全75ページで、同窓会誌にしては分厚い印象を受けますが、発行人が民間検閲局に提出した文書によると発行部数は80部とのことです。  潮音. [1号(1947年1月)] (Call No. C-155) 港町青年会が発行した「潮音」も、「千鳥」と同様に発行部数わずか60部の小規模な機関誌です。印刷の状態も悪く非常に読みづらいですが、表紙のタイトル下には折り紙のような飾り紙を使って色味を添えてあり、拘りが感じられます。理想に燃えている創刊の言葉を抜粋します。 「終戦後混沌たる嵐に吹きまくられ人々はいたづらに右往左往するあはただしい時を送ってきたが今こそ吾々はこの混迷より醒め満ち溢れる熱き意気と力をもってあくまで正しき理念を持し新日本建設に努力せねばなりません。」 Advertisements

祝:雑誌特集シリーズ10記事

国立国会図書館のデジタルコレクションにて館内閲覧可能 – 約5,300点(約700タイトル)- を、当ブログにて雑誌特集シリーズとして紹介してきました。2017年12月時点で、10都道府県の雑誌に関する記事を公開しています。10都道府県の内訳は京都府、北海道、鹿児島県、静岡県、熊本県、四国(愛媛県・高知県・徳島県・香川県)、愛知県、福島県、新潟県、長崎県です。近々、島根県と石川県の雑誌特集を予定しています。

教育図書特集: 「おもしろい年代の覺え方」

2015年8月より、当文庫は教育図書のデジタル化を開始しました。デジタル化が終了した教育図書の中から興味深い資料を教育図書シリーズとして紹介していきます。 今回は「おもしろい年代の覺え方」(Call No. 438-0012)を取り上げます。 「おもしろい年代の覺え方」朝枝博著(文化生活社発行, 1949)は、年代の語呂合わせ暗記のポケットブックです。「はじめに」というページには「この本は重要年代の樂なおもしろい覺え方を73集めた日本唯一のものです。年代は永久に變りませんから一度覺えれば廣い歴史の海の燈台として長く役立ちます。」と書かれています。 年代語呂合わせで有名なものとしては「鳴くようぐいす平安京(794年)」や「以後よく伝わるキリスト教(1549年)」などでしょうか。この「おもしろい年代の覺え方」では、平安京は「奈良の都をなくし(794)て平安京へ」、キリスト教伝来は「いこよ、ク(1549)リスト敎を弘めに日本へ」とありました。その他印象に残ったものとしては、表紙にも使われている「いよゥ國(1492)が見えるゾ!」(コロンブスのアメリカ大陸発見)や、「日本獨リむさく(1639)るしい國内に閉ぢこもる」(寛永の鎖国令)などがありました。 最後のページは「日本がウマクいく様な(1947)新憲法」(日本国憲法実施)でした。 「おもしろい年代の覺え方」のデジタル画像は当文庫館内限定で閲覧頂けます。

労働関係資料特集:「勞働協約と團體交涉」

現在メリーランド大学ホーンベイク図書館では、Special Collections and University Archivesが所蔵する労働関係資料を使った展示「For Liberty, Justice, and Equality: Unions Making History in America」が開催されています。(開催期間は2017年9月~2018年7月)。これを受け、プランゲ文庫が所蔵する労働関係資料をブログで紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 今日は「勞働協約と團體交涉」松井七郎著 (東京: 巌松堂書店, 1948) の紹介です。(Prange Call No. HD-0721) 同志社大学法学部教授の松井七郎氏が執筆した本書は、労働組合などによる団体交渉の意義や方法などを詳しく述べています。民間検閲局(Civil Censorship Detachment – CCD)に提出されたゲラによると、最初は最高司令部(GHQ)労働顧問のウィリアム・H・マックファーソン氏 (William H McPherson) による序文が掲載される予定でした。しかしその序文は全文削除(Delete)処分となり、また本文にてマックファーソン氏をはじめとする他のGHQ関係者への謝辞も全て削除されることになったようです。下記の写真にて出版されたものと削除処分を受けた痕跡が見てとれるゲラを見比べてみて下さい。 「勞働協約と團體交涉」は既にデジタル化されており、プランゲ文庫及び国立国会図書館デジタルコレクションにて館内限定で閲覧が可能です。

雑誌特集:長崎県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第十回目の今回は、長崎県で発行された雑誌を数点紹介します。 同志. [1号(1949年3月)] (Call No. D-295) 佐世保商工高等学校工業部電気科同志会が1949年に創刊した「同志」は、学生によるクラス機関誌です。内容は幅広く、作文や書評もあればコントやクイズのコーナーなどもあります。また雑誌名「同志」決定までの報告など、学生の情報共有の場としても利用する意向だったことが見受けられます。プランゲ文庫は創刊号のみの所蔵となり、その後の発行状況は不明です。また、発行人が民間検閲局(CCD)に出した発行届けが入っていたと思われる封筒の一部が残されていました。 血潮. [1号(1948年3月)] (Call No. C-126) 五島青年民主評論会発行の「血潮」も創刊号のみの所蔵です。冒頭に長崎県政府教育課補佐官、E. N. Meldal (イー・エヌ・メルダール)氏からのメッセージを掲載しています。本文にもメルダール氏による寄稿「かひもの」がありました。これは日本の古物商とアメリカ兵の面白いやり取りを描いたものです。 団結. [1巻1号(1948年8月)-5・6号(1949年8月)] (Call No. D-96) 地区労. [1号(1948年8月)] (Call No. C-83) 「団結」は佐世保港湾労働組合による機関誌で、「地区労」は島原地区労働組合協議会による機関誌です。「団結」の創刊号の表紙には「1 Info」と書かれており「戦後インフレの分析」という論文の一部にCCD検閲官によって印が入れられています。書込みは「Introduction of foreign capital into Japan」とあります。第二号からは新聞のような形に変更されています。「地区労」創刊号も同様に「運送事業を社会化せよ」という論文に「1 Info」の書込みが見られます。

雑誌特集:新潟県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第九回目の今回は、新潟県で発行された雑誌を数点紹介します。 団欒. [[2回](1947年10月)].  (Call No. D-102) 越後連山. [[2号](1947年?月)]. (Call No. E-4) 中里青年団によって発行された「団欒」は、中里青年団団員による年刊寄稿文集です。「農村経済と生活改善」や「再建の雄叫び」といったタイトルの寄稿が収録されています。 「越後連山」は日輕労組新潟支部の機関誌です。「団欒」と同様、会員による寄稿誌です。編集後記では、今号では女性からの寄稿がなかったと指摘し「平等なる権利を駆使しない駆る勿体ない事があろうか」と締めくくっています。 怒涛. [1号(1947年8月)-9号(1948年9月)]. (Call No. D-315) 新潟県直江津町にある日本ステンレス直江津工業の労働組合が出版した「怒涛」創刊号(1947年8月)の編集後記には次のように書かれています。 皆んなの原稿を皆んなで集め、皆んなで印刷して皆んなの手許へ届けることが出来た。新しい文化の、働くものの手による文化の發生があると思ふ 工場内の様々な部署の組合メンバーが、詩やエッセイを投稿しています。写真上部、創刊号と第二号は印刷も製本もあまりよくありません。民間検閲局(CCD)に提出された文書を見ると第二号の発行部数はわずか79部。しかし写真右下の第五号になると、表紙がカラーになりページ数も飛躍的に増えており、この組合誌の成長が見て取れます。

1947年11月1日

Censored Newspaper Articles紹介の一環として、1947年の今日11月1日に民間検閲局(CCD)へ提出された文書を紹介します。 1947年11月1日、日本経済新聞が、岡山県・広島県・香川県・徳島県一帯ではサトウキビを栽培が盛んになっていると報じる記事を民間検閲局(CCD)に提出しました。(Prange Call No. 47-loc-1520) 記事によると、昨今は多くの農家が良田をつぶしてでも砂糖キビ畑を作ろうとする傾向がある、とのことです。これは供出に縛られる米麦よりも特に関西地方の闇市で売れる砂糖を栽培した方が儲かるだからだろう、と記事は推測しています。記事の半分以上が削除処分(Delete)を受けており、特に闇市での砂糖の取引額および該当四県の現在の砂糖キビ畑の数が厳しく削除されています。 日本語の棒ゲラ(「甘い汁を吸いたがる農家 良田もつぶしてふえる砂糖きびの栽培」)のデジタル画像は、当文庫館内および国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧いただけます。