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出版物紹介: 参考書誌研究第77号[国立国会図書館利用者サービス部:2016年3月]

『参考書誌研究』は国立国会図書館におけるレファレンス業務や研究者の資料研究に役立つ専門書誌などに関わる記事を幅広く掲載している刊行物です。第77号では、国立国会図書館が1977年以降進めてきた日本占領関係資料の収集事業を特集しており、2015年2月に東京本館で行われた当文庫室長巽由佳子の発表『プランゲ・ネットワーク』が掲載されています。出版から半年を経て2016年10月にオープンアクセスとなり、こちらからご覧いただくことが可能です。

プランゲ文庫が国立国会図書館月報で紹介されました

国立国会図書館月報の2016年1月号(657号)および2月号(658号)にプランゲ文庫に関する記事が掲載されました。1月号の『メリーランド大学所蔵プランゲ文庫~占領期出版物は宝の山』という記事では、プランゲ文庫の概要や国立国会図書館におけるプランゲ資料の利用方法などが紹介されています。また、ワシントンDC駐在員の成原貴彦氏による『ワシントンDC駐在員の滞在記』では、所蔵資料の興味深い内容や当文庫でのイベントなどをご紹介いただいています。2月号の『占領期日本における華僑の出版物』では、これまであまり知られることのなかった華僑による出版物の概要を室長の巽由佳子が紹介しています。これらの記事は国立国会図書館月報ウェブサイトおよび以下のリンクからアクセスしていただけます。 1月号(657号) メリーランド大学所蔵プランゲ文庫~占領期出版物は宝の山~ (6~9ページ) ワシントンDC駐在員の滞在記(10~13ページ) 2月号(658号)  占領期日本における華僑の出版物 (12~17ページ)

国会図書館 特集展示「1945―終戦の前後、何を読み、何を記したか」

2015年10月5日より、国立国会図書館にて「1945―終戦の前後、何を読み、何を記したか」と題した特集展示が開催されています。国会図書館のウェブサイトによると、この展示では1945年に出版された本や雑誌、日記や書簡を展示しているとのことです。東京会場は11月2日までで、関西館では11月13日から28日までとのことです。 展示資料の詳細は上記ウェブサイトにて記載されており、その中にはプランゲ文庫が所蔵する資料も多々含まれます。そのひとつに「新生=VITA NOVA」(Prange Call No. S-1594)があります。これの創刊号を見ると、岩淵辰雄による「木戸内府の責任: 開戦の前後」という記事に民間検閲局(CCD)検閲官が線を引いた跡が多く見られますが、検閲処分の有無は記載されていません。一方、賀川豊彦による「無産政党の再出発」という記事は、線は引かれていませんが、CCDが残した文書によると一部がDelete(削除)処分を受けたようです。下の画像をクリックで拡大します。

雑誌特集:鹿児島県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ第一回目(京都府)第二回目(北海道)もあわせてご覧ください。 シリーズ第三回目の今回は、鹿児島県で発行された雑誌を紹介します。 どうわ [4号(1949年8月)] (Call No D321) 町勢グラフ [1号(1949年)] (Call No. C173) 鹿児島童話会が発行した「どうわ」には、童話作家の寄稿が数点収録されています。 「町勢グラフ」は伊作町役場統計係が発行し、同町の人口統計などを詳しく掲載しています。外国籍の町民数なども含まれています。 同志 [1巻2号(1946年7月)] (Call No. D296) 同じく伊作町にて、伊作町革新同志會というグループが発行した雑誌、「同志」も当文庫は所有しています。「同志」は同町の政策や町民への連絡事項などを多数載せていますが、その一方で同地域の人々からの寄稿と見られる短歌や俳句なども扱っています。 当文庫が所蔵する「同志」1巻2号(1946年7月)には山之内公威氏による「天皇制護持論」という記事が掲載されています。 この記事は、プレスコードに違反するとしてDisapprovedの検閲処分を受けたことが、民間検閲局(CCD)が残した文書から見て取れます(左の画像をクリックで拡大) 怒涛. 詩と論 [1巻1号(1948年4月)] (Call No. D318) 映画研究 [1号(1948年8月)] (Call No. E40) 揖宿郡頴娃村で出版された詩の雑誌「怒涛」にも、当地の住民から寄せられた詩が多く掲載されています。「映画研究」は鹿兒島學生映畫連盟が1948年8月に創刊しました。 「映画研究」創刊号と共にCCDに提出された文書を見ると、当雑誌の創刊に対する鹿兒島學生映畫連盟のメンバーの意気込みが伝わってくるようです。しかしもう一通の文書(提出日は不明)を見ると、経済的困難により2刊目が発行できず、発刊中止になってしまった旨をCCDに報告しています。(左の画像をクリックで拡大)

雑誌特集:北海道で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が、国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ第一回目は京都府で出版された雑誌を取上げました。 シリーズ第二回目の今回は、北海道で発行された雑誌を数点紹介します。 断崖 [1号(1948年5月)-4号(1949年8月)] (Prange Call No. D87) ちまた [1巻1号(1947年2月)-2巻4号(1948年9月)]  (Call No. C109) 「断崖」 は、北海道北部の遠輕町にて「第三グループ」によって発行されました。会員から寄せられた詩や短歌などを多く掲載しています。「ちまた」は川柳雑誌で、会員の作品だけではなく、他の川柳人の作品への批評なども含まれます。 大地 [1号(1948年11月)] (Call No. D5) 潮流 [2号(1948年7月)] (Call No. C158) 大煙突 [7号(1949年8月)] (Call No. D17) こちらの雑誌3点は全て労働組合のグループによるものです。「大地」は全逓信労働組合の八雲町支部、そして「潮流」は同労働組合の上磯町支部によってそれぞれ発行されました。八雲町も上磯町も北海道南部に位置しています。「大煙突」は国鉄労働組合の名寄市支部によって発行されました。この3点の雑誌は共通して、組合員から寄せられた詩・短歌などを掲載しており、また労働運動に関する思いを綴った作文も多く見られます。 大和魂 [2巻11号通巻38号(1947年9月)-2巻14号通巻41号(1947年12月)]  (Call No. D67) 北海道の道南に位置した亀田村で発行された「大和魂」(だいわこん)の第2巻12号(1947年10月25日発行)は、計6箇所の検閲処分を受けたことが民間検閲局(CCD)が残した文書から見て取れます。その中の一つは光格天皇の詠まれた歌を取上げた「御製奉誦」というページでした。歌は「神様の国に生れて神様の 道がいやなら外國に行け」とあります。CCD検閲官はこの歌について「Ultra-nationalistic and anti-foreign propaganda」とし、Disapprovalの検閲処分を提案しています。 また同号の編輯後記には編集者が「目次の中より「御製奉誦」を除いた。そのわけは、わかっていただくと思ふので敢てここに書かぬ。」と書いています。これを受け検閲官は「Above quotation is ambiguous, and it may imply indirect mention of censorship.」とし、こちらもDisapproval処分を提案しています。(左の画像をクリックすると、CCD文書の一部を拡大します。)

電話帳

携帯電話などの普及に伴い、冊子体の電話帳を使う機会は格段に減りました。しかし70年前の占領期には、電話帳は限られた階級や職種についた人物しか利用せず、いわば特殊階級の持ち物であったと言えるでしょう。当文庫が所蔵する電話帳を見ると、現在は存在しない市町村の行政機関や、既に廃業してしまった会社の当時の所在地を特定したりすることが可能となります。電話帳は半期に一度もしくは年度ごとに更新され、新たに印刷されることが通例でした。新しい版が出た後は古いものは処分されることが多かったとすれば、当文庫が所蔵する電話帳群の中には、ここにしか残存していないものもあるかもしれません。 電話帳の資料群は、参考図書(Reference Books)の分野の一部として既にデジタル化を終了しました。(請求番号: AY-0001~0671, AY-9001-9010)  検索は国会図書館デジタルコレクションから可能です。検索ボックスにAY-と入れるとこの参考図書の資料に検索を絞ることができます。プランゲ文庫館内及び国立国会図書館デジタルコレクションにて全デジタル画像をご覧いただけます。(どちらも館内からのアクセス限定となっております。)

雑誌特集:京都府で出版された雑誌

こちらのブログ記事でお伝えしました通り、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が、国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能となりました。これまでこれらの雑誌はマイクロフィルムでの閲覧に限られていました。(数は2015年3月17日付) これらの約700タイトルの雑誌の中から、特に地方で出版され、なおかつ数刊のみの発行となった雑誌を取り上げ今後シリーズとして本ブログで紹介していく予定です。まずは京都府で出版された雑誌を数点紹介します。下に挙げる雑誌は国会図書館のデジタルコレクションにてデジタル画像をご覧頂けるものですが、これらのマイクロフィルムも国会図書館およびその他の諸機関にて利用に供されています。なお国会図書館デジタルコレクションは館内からのみ全文をご覧いただけるようになっています。書誌情報はオンライン上で公開されており、タイトル名などの検索は館外からも可能です。 地学の友 [1巻1号(1949年7月)-1巻2号(1949年9月)] (Prange Call. No. C39) 中学社会 [1号(1949年4月)] (Call No. C218) 「地学の友」は「日本礦物趣味の会」によって発行され、地学に興味がある小・中学生を対象にした雑誌です。 「中学社会」 は中学生を対象に、新教科である「社会科」とは何かを伝えることを目的としました。 地炎 短歌芸術雑誌 [1巻1号(1949年6月), 1巻2号(1949年9月)] (Call No. C35) 大文字 [1号(1949年8月)] (Call No. D44) 「地炎」は読者から投稿された短歌を多数掲載しています。「大文字」は「大文字保勝會」によって発行されました。序文にあたる「あいさつ」によると、大文字保勝會の目的は大文字の維持や付近の景勝保護だということです。 茶道雑誌 [13巻6号(1949年6月)-13巻9号(1949年9月)] (Call No. C7) 映画時代 [1巻1号(1948年春)-1巻2号(1948年7月)] (Call No. E33) 「茶道雑誌」 には茶道に関するイベントのお知らせや茶道具の紹介、著名な茶人に関する読み物などが見られます。「映画時代」は邦画及び洋画の批評を多く掲載しています。