Tag Archive | 雑誌

雑誌特集:秋田県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第十四回目の今回は、秋田県で発行された雑誌を数点紹介します。 電鐘. [6巻(1947年7・8月)-10巻(1948年5月)]. (Call No. D-195) 電鐘は國鐡秋田管理部が発行したニュースレターです。プランゲ文庫は1947年7・8月号から1948年5月号まで所蔵しています。 1948年5月号は発行一周年を祝う特別号となっておりますが、編集者は編集後記で「編集者として記念号発行の喜びの反面、甚だ残念に思うことは、この一ヵ年を通じて一度も投稿しなかった人の多数なことと、編集方法に対する積極的な意見の余りなかったことである」とも述べています。しかし実際の内容を見てみると、非常無線に関する論文や労働組合に関するエッセイなど、様々なトピックスが取り上げられていることがわかります。 また1947年7・8月号と比べると、1948年5月の特別号では紙や印刷の質が上がっていることが見てとれます。 働民. [1巻6号(1946年9月)-4巻5号通巻34号(1949年6月)]. (Call No. D-273) 國鐡秋田管内労働組合が発行した働民は、平均30ページほどの月刊ニュースレターです。 その1946年9月号の表紙には「2 Disapproval」という書き込みがあり、検閲処分をうけたことが示されています。民間検閲局(Civil Censorship Detachment = CCD)が残した文書によると、一つ目の検閲処分は次の一文に課されました。 自分の作った原好爆弾に自分が恐れをなして此の処置に處置に窮している。原子力管理委員会 CCD検閲官は、この一文は「Criticism of the Allied Powers」と見なしました。 2つ目の検閲処分は、秋田県の人々の暮らしを描いたエッセイの次の一文です。(写真をクリックで拡大します) 「兵隊さんならではお嫁に行かぬ」とまで云った若き女性群は今はサラリと忘れてアメリカ兵とのアベック姿。 こちらは「Invite resentment of Occupation Forces」が検閲処分の理由とあります。 プランゲ文庫が所蔵する働民10巻のうち、計3巻(1946年9月、1947年2月、1947年10月)がなんらかの検閲処分を受けました。

湯川秀樹教授 ノーベル賞受賞

今から70年前の1949年11月、湯川秀樹教授(1907-1981)がノーベル賞(物理学賞)を受賞しました。下記はプランゲ文庫が所蔵する湯川教授による図書は雑誌記事の一例です。           図書 「最近の物質観」東京 : 弘文堂, 1946 (第四版.  [Prange Call No. 2010-0022] 「物理學の方向」京都 : 三一書房, 1949. [Prange Call No. 157-0] 「科學と文學」京都 : 白井書房, 1949. [Prange Call No. PN-0017] 雑誌 「渡米を前にして」 科学朝日, vol. 8, no. 9, Sep/1948, p.39. 朝日新聞東京本社発行  [Prange Call No. K38] 「往還」洛味, vol. 5, July 1946, p.20. 洛味社発行 [Prange Call […]

婦人画報 「生命の灯:雷おやぢ」(1949年8月)

74年前の今日8月9日、長崎に原子爆弾が投下されました。 1949年8月発行の婦人画報には永井隆氏(1908-1951)による「生命の灯: 雷おやぢ」と題された記事が掲載されました。永井隆氏は長崎で被爆し、その経験を文章にして残しました。著書の中では「長崎の鐘」(Prange Call No. D-0336)がよく知られています。 この記事で永井隆氏は、昭和天皇が見舞いに来た際の事を詳しく書いています。永井氏の子どもたちも同席していました。記事には永井氏が顕微鏡を使って硏究をしている様子を映した写真も掲載されています。

1948年7月20日: 国民の祝日に関する法律、公布・施行

71年前の今日1948年7月20日、国民の祝日に関する法律が公布、施行されました。この法律の施行により、それまでの祝日が廃止されたり改称されたりしました。例としては11月3日の文化の日や11月23日の勤労感謝の日などが挙げられます。 「法律のひろば」(Prange Call No. H768)という雑誌に1949年1月に掲載された「新しい祝日」という記事は、法律の全文を紹介し、各祝日の詳しい解説を提供しています。著者は最後に次のように締めくくります: “要するに憲法記念日を置き、文化の日や勤労感謝の日を設け、成人の日やこどもの日までも祝日と定めたこの法律が、終戦後ともすれば萎靡沈滞しがちな同胞諸君に対して、祖國再建のために伸びゆく喜びと祝いを與え、明朗闊達な気分を喚起するよすがともなれば、まことに幸せであると言わなければならない。” 一方1948年8月1日に「佛教思潮」(Prange Call No. B215)に掲載された「國民の祝日の制定」という記事は、新しい祝日には宗教的な意味合いを持つ祝日は含まれていない事に言及しています。当初クリスマスを国際親善日とする案もあったが、そうすると花まつりも取り入れるべきだという議論がおこったと述べています。最終的には「國定の祝祭日中に宗教的な行事を入れることの不当を論ずる意見もあって、宗教行事はすべて除外されることになった」そうです。  

企画展「西村伊作とその子供たち」ルヴァン美術館

6月10日より企画展「西村伊作とその子供たち」が長野県のルヴァン美術館にて開催されています。ウェブサイトによると、西村伊作(1884 – 1963)の家族の歴史、そして子供たちの生き方を当時の写真や絵画を通して紹介する、とのことです。この企画展でプランゲ文庫が所蔵する雑誌がパネルで使われています。 開催期間は2018年6月10日~11月4日です。 *この記事はルヴァン美術館の許可を得て掲載しています。

雑誌特集:宮崎県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第十三回目の今回は、宮崎県で発行された雑誌を数点紹介します。 暖地農學. [2号(1948年10月)]. (Call No. D-85) 「暖地農學」は宮崎農林専門学校の暖地農学研究会が編集し、菊書房が発行した研究雑誌です。「南九州に於ける夏作物の灌漑必要性に就て」や「松樹害虫の防除」など、非常に専門的な論文が並びます。裏表紙には各論文の英語タイトルも記載されています。プランゲ文庫は第二号(1948年10月発行)のみ所蔵しています。     だんけつ. [3巻2号(1949年5月)]. (Call No. D-92) 国鉄労働組合宮崎支部の機関誌「だんけつ」の第3巻2号(1949年5月発行)は、計3か所の不許可(Disapproved)処分を受けており、民間検閲局(CCD)による文書も多く残されています。不許可処分の理由は「Indirect Criticism to U.S.A.」「Propaganda」「Leftist」の3点です。 動向. [3号(1949年7月)]. (Call No. D-249) 「動向」は宮崎市役所の職員組合文化部が出版した冊子です。厚生課、教育課、統計課等、様々な部署から、詩やエッセイの投稿が見られます。民間検閲局による文書は残されておらず、表紙には「Spot Checked」というスタンプが押されています。

雑誌特集:石川県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第十二回目の今回は、石川県で発行された雑誌を数点紹介します。 超然. [53号(1948年10月)].  (Call No. C-182) 金沢の第四高等学校時習寮の学生が発行した「超然」の第53号(1948年10月号)をプランゲ文庫は所蔵しています。論文、詩、短歌、俳句などが並び、50ページ未満のごく一般的な学生雑誌と言えます。しかし民間検閲局(CCD)の検閲官は内容に厳しく目を光らせていたことが、残された文書から見て取れます。一枚の検閲文書には「この雑誌を出版した学生は共産党に傾倒しかけているのではないか」と懸念を示す一文が残されています。 断崖. [1号(1948年7月)]. (Call No. D-88) 同じく学生雑誌の「断崖」は、金沢三高文芸部が1948年に発行したものです。プランゲ文庫には創刊号のみ残っており、続刊の有無は不明です。近隣の古本屋や眼鏡店の広告も掲載されており、出版にあたる経済的援助を受けたのでしょうか、表紙は2色刷りで本文の印刷もしっかりとしている印象です。内容は評論、創作エッセイ、詩、短歌などです。民間検閲局による文書も残っていますが、特に検閲処分を受けた形跡はありません。 怒涛. [7号(1949年3月)-8号(1949年7月)]. (Call No. D-316) 「怒涛」は石川県庁職員組合が発行した雑誌です。職員が自身の仕事と関係のある内容の投稿をしているものもあれば、ペンネームで面白いエッセイなどを掲載しているものもあり、バラエティに富んだ雑誌です。例えば第七号では公衆保健課の職員数名が「婦人と食生活」や「「メランコリー」はカルシウム不足」といった内容の論文を書いている一方で、第八号では「新祭日「老年の日」」と題された風刺漫画が掲載されています。

雑誌特集:島根県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第十一回目の今回は、島根県で発行された雑誌を数点紹介します。 どうどがわ. [1949年2月] (Call No. D-223) 千鳥. [3号([1948年]] (Call No. C-33) 「どうどがわ」は島根県立大東高等学校校友会郷土調査班が発行した冊子です。内容は教員や学生の研究発表で、例として「八雲神話と出雲」や「三刀屋城附近の傳説」といった論文が掲載されています。 島師付属小学校同窓会が発行した「千鳥」は、卒業生による随筆や詩の寄稿、シリーズ物、住所録などが含まれます。最終ページには戦時中に破壊された校舎の復興レポート「母校復興状態」というコーナーもあります。プランゲ文庫が所蔵する第3号は全75ページで、同窓会誌にしては分厚い印象を受けますが、発行人が民間検閲局に提出した文書によると発行部数は80部とのことです。  潮音. [1号(1947年1月)] (Call No. C-155) 港町青年会が発行した「潮音」も、「千鳥」と同様に発行部数わずか60部の小規模な機関誌です。印刷の状態も悪く非常に読みづらいですが、表紙のタイトル下には折り紙のような飾り紙を使って色味を添えてあり、拘りが感じられます。理想に燃えている創刊の言葉を抜粋します。 「終戦後混沌たる嵐に吹きまくられ人々はいたづらに右往左往するあはただしい時を送ってきたが今こそ吾々はこの混迷より醒め満ち溢れる熱き意気と力をもってあくまで正しき理念を持し新日本建設に努力せねばなりません。」

祝:雑誌特集シリーズ10記事

国立国会図書館のデジタルコレクションにて館内閲覧可能 – 約5,300点(約700タイトル)- を、当ブログにて雑誌特集シリーズとして紹介してきました。2017年12月時点で、10都道府県の雑誌に関する記事を公開しています。10記事の内訳は京都府、北海道、鹿児島県、静岡県、熊本県、四国(愛媛県・高知県・徳島県・香川県)、愛知県、福島県、新潟県、長崎県です。近々、島根県と石川県の雑誌特集を予定しています。

雑誌特集:新潟県で出版された雑誌

2015年3月より、約5,300点(約700タイトル)のプランゲ文庫所蔵雑誌が国立国会図書館のデジタルコレクションにて閲覧可能(館内閲覧限定)となりました。これらの雑誌を今後当ブログにてシリーズとして紹介していきます。シリーズ記事の一覧はこちらからご覧頂けます。 シリーズ第九回目の今回は、新潟県で発行された雑誌を数点紹介します。 団欒. [[2回](1947年10月)].  (Call No. D-102) 越後連山. [[2号](1947年?月)]. (Call No. E-4) 中里青年団によって発行された「団欒」は、中里青年団団員による年刊寄稿文集です。「農村経済と生活改善」や「再建の雄叫び」といったタイトルの寄稿が収録されています。 「越後連山」は日輕労組新潟支部の機関誌です。「団欒」と同様、会員による寄稿誌です。編集後記では、今号では女性からの寄稿がなかったと指摘し「平等なる権利を駆使しない駆る勿体ない事があろうか」と締めくくっています。 怒涛. [1号(1947年8月)-9号(1948年9月)]. (Call No. D-315) 新潟県直江津町にある日本ステンレス直江津工業の労働組合が出版した「怒涛」創刊号(1947年8月)の編集後記には次のように書かれています。 皆んなの原稿を皆んなで集め、皆んなで印刷して皆んなの手許へ届けることが出来た。新しい文化の、働くものの手による文化の發生があると思ふ 工場内の様々な部署の組合メンバーが、詩やエッセイを投稿しています。写真上部、創刊号と第二号は印刷も製本もあまりよくありません。民間検閲局(CCD)に提出された文書を見ると第二号の発行部数はわずか79部。しかし写真右下の第五号になると、表紙がカラーになりページ数も飛躍的に増えており、この組合誌の成長が見て取れます。