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プランゲ文庫の資料から見る「古橋廣之進 – フジヤマのトビウオ」

古橋廣之進(ふるはし ひろのしん, 1928 – 2009)は、1949年8月にロスアンゼルスで行なわれた全米選手権に参加し、自由形で世界新記録を樹立、「フジヤマのトビウオ(The Flying Fish of Fujiyama)」と呼ばれ脚光を浴びました。当時の新聞はもちろん、雑誌や児童書など様々なメディア媒体が古橋選手の活躍を克明に記録しました。これらの資料からは、古橋選手を心から応援する当時の国民の声が聞こえてくるようです。下記は関連資料の一例です。 報道写真 ロスアンゼルスに出発前の古橋選手らの様子を写した写真が、サン報道写真群の中にありました。 児童書 水の王者 古橋選手の活躍  富田邦彦著 (妙義出版社発行, 1949) (Call No. 491-029) 水の王者 古橋広之進 浅田斐彦著 (イースタンライト社発行, 1949) (Call No. 541-055) 雑誌 「世界記録をはぐくんだ母:水の王者・古橋広之進にきく「わが母の記」」- 婦人の国 , vol. 1, no. 8, Oct/Nov 1947, pp. 17-19.  婦人の国社発行 (Call No. F-75) 「古橋廣之進さんにきく:水泳のおはなし」- 子供の時間, vol. 2, no. 7, July 1948, pp. 14-15. (Call No. K-1339) […]

1947年8月13日 石川達三「望みなきに非ず」

Censored Newspaper Articles紹介の一環として、1947年の今日、8月13日に民間検閲局(CCD)へ提出された文書を紹介します。 1947年8月13日読売新聞が、石川達三の「望みなきに非ず」の一部を民間検閲局(CCD)に提出し一部削除(Delete)処分を受けました。(Prange Call No. 47-loc-0575) 日本語ゲラから、Delete処分になった箇所を抜粋します。 「昔の強盗は生活苦でやつた。今の強盗は主義主張でやるらしい。」 「わたしアメリカの進駐軍を見るたびに考えるんですよ。羨しいほどつやつやして若々しくて大股にどしどし歩いてるでしよう。やつぱり食べ物が良いのよ。」 下記の画像はCCDが残した文書です。 日本語ゲラのデジタル画像は当文庫館内および国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧いただけます。 石川達三と検閲に関しては、2015年に岩波書店から出版された「戦争と検閲:石川達三を読み直す」(河原理子著)が詳しいです。以前にブログで紹介しましたのであわせてご覧ください。

「マッカーサー」検閲

Censored Newspaper Articlesは、どのような記事が民間検閲局(CCD)の検閲官の目に留まり検閲処分に至ったのかを知る上で、非常に貴重な資料です。これらを通して見ていると、ダグラス・マッカーサー元帥を取り上げた記事が頻繁にHOLD処分を受けているのに気がつきます。 その中には日本の占領政策に対するマッカーサー元帥の考えに関するものもあります。例えば「講和の希望に燃える日本に適切な占領政策 マッカーサー元帥一九四八年の晴姿」と題された1947年12月22日の共同寫眞通信の記事は、「マッカーサー元帥が日本の民主化は満足すべき状態で進んでいる」と感じていると述べた部分がDelete(削除)処分を受けています。(Call No. 47-loc-1899) また1947年10月15日のAssociated Press World Service/日本経済新聞の記事は、米国が極東委員会(Far Eastern Committee)に打診した内容に関するもので、それらが「マッカーサー元帥の方針」とあり、マッカーサー元帥と書かれた箇所だけがDelete処分となっています。(Call No. 47-frn-1612) しかしCensored Newspaper Articlesの中にはマッカーサー元帥の名前は取り上げられているものの、記事の内容としては検閲処分を受ける理由がわかりかねるものもありました。例えば1947年10月9日のNippon Times及び読売新聞の記事は「マッカーサー元帥の従妹が結婚」との内容ですが、Suppress(発禁)処分を受けています。(Call No. 47-frn-1260, 47-frn-1261) また共同通信とAssociated Press(AP)が提出した、かつてマッカーサー元帥が住んだマニラホテルの5階がナイトクラブとして改装、という記事も同じくSuppress(発禁)処分を受けました。(Call No. 47-frn-1710) 他にもマッカーサー夫人が極東国際軍事裁判を傍聴している様子を写した写真が検閲処分を受けた例もありました。また読売新聞が中学生を対象にとったアンケートでも、マッカーサー元帥について触れた箇所が削除処分を受けていた例も以前に紹介しました。

1948年5月26日

Censored Newspaper Articles紹介の一環として、1948年の今日、5月26日に民間検閲局(CCD)へ提出された文書を紹介します。 1948年5月26日共同通信が、島根県の三瓶山近郊にて日本一、二を争う大きさのラジウム鉱泉が発見されたとの記事(日本語手書き原稿タイトル「すごいラジウム鉱泉発見」)を民間検閲局(CCD)に提出し、発禁(Suppress)処分を受けました。(Prange Call No. 48-loc-1770) 記事によると、広島にて被爆した患者がこの地で温泉に入ったところ傷が治り髪の毛も生えてきたという報告があったとのことです。これを受け岡山大学の教授が調査に乗り出し、この地におけるラジウム含有量が非常に高いことが判明したとあります。その後九州大学や京都大学の教授も調査に加わり、動物試験を経て効果が実証されたそうです。この記事が発禁処分になった理由は記されていません。 日本語手書き原稿のデジタル画像は、当文庫館内および国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧いただけます。

日本国憲法シリーズ③: Censored Newspaper Articlesからみる日本国憲法

日本国憲法は1946年(昭和21年)11月3日に公布、翌年1947年(昭和22年)5月3日に施行されました。今年2017年の5月3日で施行70年を迎えるにあたり、「日本国憲法シリーズ」として数週間にわたりプランゲ文庫が所蔵する憲法関連資料の紹介を行います。第三回目のテーマは「Censored Newspaper Articlesからみる日本国憲法」です。こちらからシリーズの一覧をご覧いただけます。 Censored Newspaper Articlesから、日本国憲法施行1年をむかえた1948年5月にあわせて書かれた記事を紹介します。読売新聞は1948年4月26日、「新憲法一年:世態さまざま」と題した記事を民間検閲局(CCD)に提出しました。(Prange Call No. 48-loc-0894)  この記事は新憲法施行によって再確認された事柄を取り上げ、それらがもたらした影響について論述しています。例えば男女の平等権が確認されたことを受け離婚の民事訴訟が殺到したと述べています。記事の最後には、新警察制度の欠陥により賭博が街に蔓延っており、凶悪事犯はますます増加して検挙率は落ちていると批判しており、この部分が削除(Delete)処分を受けました。下記はCCDが記事を英訳した文書です。 他にも憲法に関する記事がCensored Newspaper Articlesには含まれています。こちらに掲載しているリスト及び国立国会図書館のデジタルコレクションから検索が可能です。

1948年3月17日

Censored Newspaper Articles紹介の一環として、1948年の今日、3月17日に民間検閲局(CCD)へ提出された文書を紹介します。 1948年3月17日読売新聞が、外国語習得を目指す国民が増え英語だけではなくスペイン語などに興味を持つ生徒が急増という記事を民間検閲局(CCD)に提出しました。一旦HOLD処分を受けましたが、その後PASSとなったようです。(Prange Call No. 48-loc-0472) 記事は終戦後「盛り上つた米英語熱はもちろん」のこと、現在はスペイン語やフィリピン語科に志願者が殺到している一方、蒙古科やイタリア語、ロシア語を志願する学生は減少していると述べています。たとえば東京外事専門学校の志願者を見ると、戦争中は志願者が激減した英米科が定員60名のところに志願者1200人以上(競争率21倍)、スペイン語(イスパニア科)は定員30名のところに志願者274名(競争率9倍)となったそうです。記事はこのスペイン語への興味は「講和会議後スペイン語を使う南米方面への進出を期待しているもの」と予想しています。 日本語ゲラのデジタル画像は当文庫館内および国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧いただけます。

1948年1月14日

Censored Newspaper Articles紹介の一環として、1948年の今日、1月14日に民間検閲局(CCD)へ提出された文書を紹介します。 1948年1月14日第一新聞が、東京都内のそば屋が外食券を発行して近々営業を再開するという記事を民間検閲局(CCD)に提出し、発禁(Suppress)処分を受けました。(Prange Call No. 48-loc-0156) 「外食券ソバ: 二月中旬ころ」と題されたこの記事によると、東京都内のそば屋が近く本格的に営業再開とのことです。ただし「そば屋さんの加工能力と原料不足」のため「全都民への配給は不能」であり、そのため「主食差引きのそば(うどん)専鑛の外食券」を発行することでまかなうとあります。この記事が発禁処分を受けた理由は特に記載されていません。 日本語ゲラのデジタル画像は当文庫館内および国立国会図書館デジタルコレクションにて閲覧いただけます。