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教育図書特集: 「社會への旅 後篇」

2015年8月より、当文庫は教育図書のデジタル化を開始しました。デジタル化が終了した教育図書の中から興味深い資料をシリーズとして紹介していきます。

今回は「社會への旅 後篇」(Call No. 435-0016v_3)を取り上げます。

「社會への旅 前篇、中編、後篇」(奈良市: 奈良文庫, 1947)は、奈良文庫編集の社会科讀本です。後篇の第七章「大和の國」は県庁の役割に言及しており、35~37ページには奈良県庁の平面図が掲載されています。この説明文に「軍事裁判事務所(M.P.)」と書かれた箇所があります。この箇所について民間検閲局(CCD)の検閲官が「これは占領軍関係者が滞在する場所を示すのでDelete処分にするべき」と文書に書き残しています。ただし表紙にはOKと読める書き込みがあり、実際にDelete処分を受けたかどうかは不明です。

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ホーンベイク図書館展示「For Liberty, Justice, and Equality: Unions Making History in America」

現在メリーランド大学ホーンベイク図書館では、Special Collections and University Archivesが所蔵する労働関係資料を使った展示For Liberty, Justice, and Equality: Unions Making History in Americaが開催されています。開催期間は2017年9月~2018年7月です。

米国の労働組合運動は、様々な活動を通してより良い社会の構成に関わってきました。この展示では、公民権運動やLGBTQ団体と連携した運動そして移民の権利や男女平等権など、多様な観点から労働組合運動を見ていきます。

 

 

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講演会のお知らせ: Robert Hegwood氏(University of Pennsylvania)

2017年9月21日(木)午後12時半から1時半、メリーランド大学のFrancis Scott Key Building 2120号室において、今年度の20世紀ジャパン・リサーチ・アワードの受賞者であるRobert Hegwood氏(University of Pennsylvania)による講演会を開催いたします。講演会のタイトルは“Rebuilding Japan’s Image: Japanese Americans and Japan’s Postwar Grassroots Diplomacy”です。

この講演会はメリーランド大学図書館と Nathan and Jeanette Miller Center for Historical Studies の共催です。講演会は当大学の学生や職員、そして一般の方々に無料公開されており、事前にご連絡頂ければ昼食を用意します。昼食をご希望の方は、millercenter@umd.eduへご連絡ください。

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占領期における、米兵と日本女性の交際:第三回

[本記事は、渡辺二幸[わたなべ にこう](2016-2017年学生アルバイト)による寄稿です] 米兵と日本人女性の交際を描いたが為に検閲処分を受けた出版物をブログ記事全三回に亘って紹介します。第一回第二回もご覧ください。今回が最終回です。

トップ「テンポラリー・ワイフ」

昭和21年5月発行の「トップ」には前回紹介した「千恵子の御難」だけでなく「テンポラリー・ワイフ」という記事もありました。「テンポラリー・ワイフ」は、米兵が日本にいる間に日本女性を内妻として「購入できるサービス」についての記事でした。占領期に米兵が売春を行なうことは禁止されていましたが、実際には米兵と日本人女性間の売春行為は広く行なわれていました。売春についての記事は、民間検閲局(CCD)によって「治安妨害」の理由で検閲処分を受けることが多くありました。「テンポラリー・ワイフ」も発禁処分を受けています。

CCDの検察官が残した文書を見ると、発禁処分の理由は「治安妨害」と「連合国への批判」である、と書かれています。例えば記事の中で不適切と書かれている箇所には「70ドルでテンポラリーワイフが購入できる」とありました。CCDの文書は、この記事は「大変嫌悪感を抱く」内容で「扇情的」で「教育的価値が無い」と厳しく批判しています。また米兵の日本での行動を否定的に捉えているため、読者が憤慨しSCAPへ反感をつのらせる可能性があると考えられたために全文発禁となったと思われます。CCD文書には「米兵の行動に対し誤解が生じる」と書かれています。

日本占領期、米国とその占領政策に対し日本人がなるべく好意的な感情を抱くようにすることは、SCAPの優先項目でした。米兵と日本人女性の交際は占領に対する疑問や不満が生まれ出る原因になると考えられ、そのため占領初期の4年間は交際が公式には禁止されていました。しかし実際には米兵と日本人女性間の交際は多く目撃されました。

全3回に亘って米兵と日本人女性間の交際に関する雑誌記事を紹介しました。この他にも関連雑誌記事は多く存在すると思われます。ご興味があれば、是非プランゲ文庫の資料を利用してほしいと思います。

参考文献一覧

エリザベス・ダグラス(2013)「『Sleeping with the Enemy』~戦争花嫁と連合国日本占領~」, pp. 1-96. [online] https://scholarship.tricolib.brynmawr.edu/bitstream/handle/10066/12996/2013DouglasE_thesis.pdf?sequence=1.

ジョン・ダワー(2000)『敗北を抱きしめて~第二次大戦後の日本人~』, New York: W.W. Norton & Co./New Press.

マーク・マックレランド(2012)「占領下日本における性と検閲」『亜細亜太平洋月刊誌』, 10(37), 6th ser., pp. 1-29. [online] http://apjjf.org/2012/10/37/Mark-McLelland/3827/article.html

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占領期における、米兵と日本女性の交際:第二回

[本記事は、渡辺二幸[わたなべ にこう](2016-2017年学生アルバイト)による寄稿です] 米兵と日本人女性の交際を描いたが為に検閲処分を受けた出版物をブログ記事全三回に亘って紹介します。第一回はこちら

トップのゴシップ記事「千恵子の御難」

昭和21年5月に発行されたトップという雑誌には、竹下千恵子という日本人のダンサーについてのゴシップ記事が見られます。ゲラによると、記事タイトルは「千恵子の御難」となる予定だったようです。記事の前半は千恵子のアメリカへの旅行と日本への帰国について書かれています。記事によると、川上クラークという千恵子の婚約者は米軍中尉として日本に来たようです。しかし米兵と日本人女性の結婚が禁止されていたので、千恵子とクラークは計画通りには結婚できませんでした。記事の後半は千恵子のダンサーとしての人生について書かれています。

千恵子の結婚がかなわなかったことに関する記述は「治安妨害」として検閲処分の対象となりました。そして記事のタイトルを「千恵子の御難」から「千恵子気を吐く」に変更するように指示されます。結果、千恵子のダンサーとしての人生についての段落は編集せずに出版されましたが、アメリカへの旅行や結婚の予定などについての段落は全て削除となりました。

これは、結婚の禁止が不公平に見えるのではとCCDが懸念したことが検閲処分につながったと考えられます。千恵子はアメリカでクラークに出会い、日本に来る前から既に結婚する予定だったと思われ、またクラークの苗字から彼は日系アメリカ人だと推測できます。この記事のゲラには、結婚できないと気づいた千恵子の悲しみが強く現れています。クラークがGIとして来日し会った際の千恵子の目の輝き、そして彼と結婚できないと知ったときのため息などロマンチックなタッチでこの記事は書かれています。

このような感情的な記事が、米兵と日本女性との交際禁止というSCAPの方針に悪影響を及ぼすとCCDは考えたのかもしれません。CCDはこのゴシップ記事から、クラークに関する一切の言及を削除しました。

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占領期における、米兵と日本女性の交際:第一回

[本記事は、渡辺二幸[わたなべ にこう](2016-2017年学生アルバイト)による寄稿です]

日本占領期、米兵と日本人の交際は連合国軍最高司令官総司令部(Supreme Commander of the Allied Powers・SCAP)によって禁止されていました。またSCAPの方針により、米兵が日本人売春婦と関係を持つ事は法律上禁止されていました。これらの事情から、米兵と日本人女性間の結婚は困難を極めました。この状態は1949年にSCAPが正式に交際を許可するまで4年間続きました。外国籍の米兵配偶者がアメリカの国籍が取得できるようになったのは、1952年にマッカラン=ウォルター法が定められてからとなります。1947年~1965年の間に、約5万人の日本人の女性が「戦争花嫁」としてアメリカに移住したと言われています。(ダグラス・2013年)

民間検閲局(Civil Censorship Detachment・CCD)は米兵と日本人女性の交際を題材として取り上げた出版物の検閲を厳しく行ないました。(ダワー・2000年・p. 411.)米兵と日本人女性の交際を描いたが為に検閲処分を受けた出版物を、ブログ記事全三回に亘って紹介します。

新漫画「スプリングガール」

雑誌「新漫画」昭和21年6月号)のゲラには、日本人の若い女性が二人公園で会話している「スプリングガール」という漫画がありました。背景には米兵と日本人女性のカップルが二組見えます。しかしCCDが残した文書によると「米兵が日本人女性を抱きしめている漫画」が「米兵の行動についての誤解を生み出す可能性がある」及び「米兵への偏見が生じるかもしれない」という理由で、CCDは背景のカップル二組の削除を命令したようです。結局出版された漫画には、前の二人の女性しか描かれていません。

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プランゲ文庫資料の閲覧場所が変わりました

本日2017年8月28日より、プランゲ文庫の所蔵資料はホーンベイク図書館北館1階のメリーランドルーム(Maryland Room)にてご利用いただけるようになりました。ご質問があればこちらからお問い合わせください。

閲覧申し込みについて詳しくは、下記のページをご覧下さい。